クレジットカードのキャッシングやカードローンなど、返済できない借金を背負ったときは、債務整理を行うと解決ができます。
任意整理・個人再生・自己破産など、債務整理にはいくつかの方法があります。
個人再生では再生計画を裁判所に提出し、認可決定が下されると借金が大幅に減ります。
そしてそのあとは、再生計画に基づいた分割返済を行います。
何らかの原因で個人再生後の分割返済が困難になった場合、自己破産するという選択肢があります。
ただし無条件で自己破産できるわけではありません。
いくつかの注意点があるため、事前に知っておく必要があるでしょう。
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個人再生後に自己破産するときの確認事項と注意点
個人再生後に支払えなかったらそのまま自動的に自己破産になると考えている人がいますが、これは大きな間違いです。
個人再生後に自己破産をする際には、いくつか確認と注意点がありますので、それを解説していきます。
個人再生後の自己破産をするには、支払不能と認められることが必要
個人再生後に自己破産するには、裁判所から支払不能であると認められることが必要です。
支払可能と判断されると、自己破産はできなくなってしまいます。
個人再生後の分割返済が1回遅れただけでは支払不能とは判断されませんが、自己破産の申立てを行っても認められない可能性が高いです。
数回遅れると、債権者が再生計画取り消しの申立てを行うことがあります。
申立てができるのは、借金総額1/10以上持っている債権者だけです。
再生計画取り消しがない場合、個人再生が生きている状態です。
分割返済に遅れが生じただけでは個人再生から自己破産へと進むことができません。
債権者からの申立てにより、再生計画取り消しがないと自己破産へと進めません。
再生計画取り消しとなると再生計画前の借金に戻るため、支払不能であると認められやすいです。
自己破産を本当にする必要があるのか?を慎重に確認
分割返済が困難になったときには再生計画の変更、またはハードシップ免責という制度で救済されることがあります。
再生計画の変更では最長2年の返済延長が認められます。これは返済期間の延長だけであり、返済額についてはそのままとなっています。
個人再生の住宅ローン特則という制度を利用している場合、住宅ローンの残高も返済額もそのままです。
住宅ローンは延長も認められないため注意してください。
返済期間の延長は、申立てを行えば必ず認められるという救済策ではありません。
リストラやボーナスカットなど、特別な事情がある場合のみとなっています。
返済期間の延長では救済されないというときに利用されるのが「ハードシップ免責」です。
ハードシップ免責が認められると、残りの分割返済は全て免除されます。
しかしハードシップ免責には「3/4以上返済していること」という条件が付いています。
弁済額500万円で250万円の分割返済が終わっている状態では1/2となるため、ハードシップ免責が認められません。
最初から自己破産の申立てを行うのではなく、分割返済の延長やハードシップ免責という段階を踏むことが必要です。
自己破産できないケースがある事を知っておこう!
個人再生には「給与所得者再生」という手続きがあります。
サラリーマンなど、安定した収入がある給与所得者が利用できる手続きです。
債権者の同意が不要のため、個人再生に反対する債権者が多いときにも利用されます。
しかし給与所得者再生の場合、7年間は自己破産できなくなりますので、7年以内に自己破産の申立てを行っても認めてくれません。
ハードシップ免責を利用した場合も、7年間自己破産できません。
しかし裁判官によっては、裁量で認めてもらえることがあります。
給与所得者再生だから、ハードシップ免責を利用したから自己破産できないと最初から諦める必要はありません。
小規模個人再生という手続きの場合は、7年間の制限はありません。
個人再生後の自己破産は可能!でも段階を踏んで慎重に!
個人再生の再生計画が取り消しとなった場合、裁判所には自己破産へと進ませる権限があります。
しかし裁判所が勝手に自己破産へと進ませることはほとんどなく、本人が自己破産の申立てを行う必要があります。
自己破産の手続きが分からないときは、債務整理の専門家に依頼しましょう。
債務整理の専門家である弁護士に依頼すると、代理人となって手続きを行ってくれます。
自己破産へと進めるかどうか微妙というときも、まずは弁護士事務所にて相談をしてみてください。